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​水面下の交際

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 2020年、日本の生活は大きく変化した。好きな人と一緒にご飯を食べる時は目の前にアクリル板が存在し、好きな人と話す時はマスク越しに仲良くし、大学の授業でも教室に入らず、パソコンの向こう側の世界で一緒に授業を受けていた。そして、私たちのコミュニケーションには何か存在の分からない壁が出来始めた。また、それはたった2年という月日ながらも私たちを大きく分断した壁であり、現代の日本という国には存在しなかったものである。しかし、昔の日本ではどうであろうか。遠くへ行くことやすぐに連絡を取ることが難しく、今のようにインターネットの存在もなかった。また、好きな人と気軽に会うことも互いの顔を見ることも難しく、身分の差も存在し、不自由な人間関係であった。その様な環境でも手紙を送りあったり、内緒で好きな人に会ったりしてコミュニケーションを取ろうとした彼らの姿勢と、現代の私たちがSNSやオンラインミーティングを利用してコミュニケーションを取ろうとする姿勢はどこか似ていると私は考える。

 

 この2年という期間が私たちの人間関係を大きく変化させた。しかし、過去からも分かるように私たちは何とかコミュニケーションを取り、その形態が変化しながらも人間関係を失うことはなかった。まだ厳しい事態が続くかもしれない。しかし、私たちは人と人との関係やコミュケーションを大切にすることでその壁を乗り越えていけるはずであろう。

百芸 プロフィール 齋藤響.jpg

​齋藤響

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2001年北海道生まれ 
現在日本大学芸術学部写真学科在学中


中山岩太、「純芸術写真」の

考えに影響を受ける
現在は「写真」について考えている

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